毛がにを日本一早く食べる男「ゆっくり食べたら美味しかった」

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制限時間90秒。優勝賞品の「毛がに20ハイ」をかけて、トゲと硬い甲羅に覆われた毛がにをいかに早く食べるかを競う大会、「全日本毛がに早食い競争」をご存知でしょうか?

毛がにフードファイターたち
出展:2015おしゃまんべ毛がにまつりの開催について – 全国商工会連合会

毎年6月末〜7月頭の土日に開催され、北海道長万部町最大級のイベント「毛がにまつり」内で行われるメインコンテンツで、全国から出場者が集うそうです。世界的な奇祭として注目を集めつつあると言っても過言ではないイベントです。

今回、リマンベは、同大会の2014年チャンピオンである東京理科大学の学生、佐藤拓海さんにインタビューを行うことに成功しました。さすが東京理科大生と唸らせる巧みな分析力、戦略構築能力で、勝利をその手に掴んでいました。

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足をばりぼり食べてみた、食えるもんじゃないと思った

ーーーなぜ口腔的にリスキーな「全日本毛がに早食い競争」に挑戦されたのでしょうか。

東京理科大学基礎工学部に入学して、「長万部最大のイベント」と聞いて出てみようと思ったのと、『東京理科大長万部学寮物語』を読んで興味をもったのがきっかけです。

「出場は無料だし、カニ食えるなら出てみようかな」という軽い気持ちから出場することにしました。ちなみに、理科大の男子は基本的にみんな出るのかなと思ってましたが、実際には4〜5人くらいでした。

ただ、「クラスターで応援するぞ」という雰囲気になったので、勝たないといけないと思いました。出るなら勝ちたいじゃないですか。そんな想いに変わっていきました。

ーーー早食いのトレーニングはどのようにされたのでしょうか。

まずは自分で毛がにを買ってきて、殻ごと食べてみることにしました。足をばりぼり食べてみたんです。分かったことは、「殻は食えるものではない」ということですね。

ーーーそうですね。

そこでどうしようかなと考えました。当時、僕は弓道部に所属していたのですが、弓道部には長万部のそばうちサークルのつながりがあり、そばうちサークルの長万部の人から毛がにの剥き方、効率的な食べ方を教わる機会を得ることができました。ちなみにそれは早食い競争が行われる毛がにまつりの前日(1日目)のことです。お祭り会場にある毛がにの解体の現場で教わることができました。

ーーー地元の人からのコツの伝授を受けるのは大きいですね。ほかに秘訣もあれば差し支えない範囲で教えていただきたいです。

大会では、毛がにを食べる前と食べた後の重量差を出し、それが一番多かった人が勝つシステムです。そこで僕が編み出した方法は、まずは重量の多い甲羅から攻略すること。甲羅を開けてかにミソをすすり、そのあとは甲羅の身がつまっている部分を食べていくのです。

そして大会では、「口に含む」だけでも食べた重量差としてカウントされるので、制限時間の最後の10秒くらいのラストスパートには、かにの足を折って次々と口に放り込んでいきます。

ーーー足を口に詰めて、痛みはないのですか?

この方法にはポイントがあって、「先端部の爪がある関節部を除いた足」を口に詰めていくことです。先端部の爪はさすがに痛いので、根元に近い部分だけを口に詰めていくのです。甲羅部から攻略する、最後にかにの足を口に放り込む。このプロセスを経るだけで、効率的にかなりの重量差を稼ぐことができると考えました。

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ーーーなるほど。大会のルールを熟知し、そこを突いてくるとはさすがの一言です。また、大会では三連覇がかかったチャンピオンを破ったとして話題になりました。

出場者が70人いるうち、本気で勝ちにきているのは20人ほどでしたが、運良く優勝することができました。前述のとおり、毛がに早食い競争は、食べた量の差分で勝敗が決まります。僕に配られた毛がには優勝者よりもひと回りほど大きかったので、重量差を稼ぎやすいことがあったのかもしれません。あとは仲間の応援です。僕の早食いを盛り上げてくれました。この優勝は「運」と「まわりの応援」あっての優勝です。ほんとうに感謝しています。

なおチャンピオンになったのは、理科大基礎工学部ではぼくで二人目らしいですね。一人目の方は昔、いかに綺麗を身を食べるかの大会だったのを、彼は殻を食べて優勝したらしく、そこから大会が荒れだしたそうです。

ーーー基礎工学部はルールの隙を突く教育がうまい大学なのでしょうね。ちなみに毛がにの早食いで、ケガはされませんでしたか?

ちょっと口内炎できたのと、口の横から流血したくらいです。あとは、大会では軍手が支給されるのですが、片方だけでして、毛がにの足を折る時に軍手を片方だけはめてやるのことになるので、軍手をはめていない方の手は傷だらけになったくらいですね。僕の戦うスタイルとしては、左手で毛がにをおさえて、右手で身を掻き出す戦法でしたので。

高級食材「毛がに」を味わい尽くすたった一つの方法

ーーーありがとうございました。さいごに、2014年優勝者としてメッセージをお願いします

「毛がには正直もう飽きた」ということです。優勝した賞品として毛がにを20ハイもいただいたのですが、クラスターと弓道部に20ハイすべてあげました。

僕は、あの早食い競争以来、毛がにを食べていません。毛がにはもうこりごりだと思ったからです。

ただ、優勝後にみんなにあげた毛がにを少し分けてもらって食べてみたら、とても美味しかったことを覚えています。ゆっくり食べたら美味しかったのです。

ーーーその言葉をいただけて安心しました。

だから僕が伝えたいことは「カニってゆっくり食べたらおいしいんだよ」ということです。毛がには早く食べるものではないからです。

東京・西新宿にて撮影
東京・西新宿にて

リマンベからのお知らせ

そんな長万部の毛がにまつり、2016年は7月2日(土)と7月3日(日)で連日開催!みんな来てね!

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毛がにまつり公式サイト

投稿者: remanbe

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